くぐつ島生活記

山登りは自分で学ぶ。本をたくさん読む。それが生活のきまり

Month: 9月 2009

旅立ち

午前0時を回ったので、今日は夏休みの最終日。
祝日を合わせて、11日間の遅い夏休みでした。
 
休み中は、
 
延々とアップダウンの続く八王子城趾~北高尾山稜へチャレンジして、そこから陣馬山へ登り上げてさらに高尾山へとって返すというハードコースを歩き、その上、北高尾山稜の手前で、きちんと現在地点を確認しながら行動していたにもかかわらず、危うい登山道に見事にだまされて初めて本気で道迷いに陥ってしまったり(危険な場所まで分け入ってしまっていましたが、もちろん遭難せずに無事に正常ルートへ自力で復帰)、
 
友人を連れて、のんびり高尾山~城山~景信山を歩いて、山でお湯を沸かしてコーヒーを飲んだり、はるかに広がる東京の街並みを眺めながら語らったりして遊び、そして小仏へ下るコースを楽しみ、
 
午前0時に高尾山口を出発して、深夜の高尾~陣馬の縦走路を一人で歩く、ナイトハイクにチャレンジして、真っ暗闇の山の中を恐怖と闘いながら延々5時間歩き、午前5時過ぎに陣馬山頂にたどり着いて、朝日を眺めながらコーヒーを飲んだり、
 
都岳連のトレッキングスクールに参加して、一泊二日で南アルプスの仙丈ヶ岳(3033m)へ登山して、初パーティ参加、初小屋泊まり、初3000メートル峰・初100名山登頂を果たしたり、
 
・・などをしていました。
 
一つ一つが自分にとってはあまりにも濃すぎる体験で、到底ここには書ききれないのですが、時間とやる気(笑)があれば、サイトの構成を作り替えて、これからゆっくりアップしていこうかと思っています。
 
自分が山を登ることに対して好きなことの一つが、「自分が山で体験したことは全て自分だけが独り占めできるものである」ということでした。別に誰かに伝える必要も、ましてや共有してもらう必要なんかも全くない。ただただ自分がやりたいように登って、そしてその苦労も、達成感も、恐怖も、失敗も、喜びも全部自分が背負い、感じ、慈しむ。自己満足って響きの悪い言葉ですが、でも山頂に登って普段見ることのない広大な景色を目の当たりにするたびに、「これでいいのだ」って思えることがとってもうれしいのでした。
 
でも、今回はそこにさらに付け加えることができることを知りました。
 
「もしも誰かと一緒に山に登っていたなら、その体験はその仲間みんなで分かち合えるものである」
 
もちろん、辛さや楽しさ、感動するかしないかなどは個人個人みんな異なります。ところが、山に登るというのは不思議なもので、個人個人みんな違っていながら、でもどこか深い、無意識のようなところで、その体験を確実に分かち合っていることを、今回の仙丈ヶ岳の登山で思い知りました。そこには「共有する」という言葉や概念はありません。みんなで登り、苦労し、助け合い、ご飯を食べ、眠り、そして喜び合う。その事実だけがそこにはあり、それをみんなが分かち合っている。だから、それを知るものは、誰かが自分が登ったことのある山に登頂したことを告げると、「登頂おめでとうございます」と心から言いたくなるし、またその山へ行こうとする人にはいろいろな手助けをしたくなる。
 
そんな楽しい世界が身近に存在していたことを知ったことが、今回の夏休みに発見した何よりのお宝でした。
 
 
他にも、たくさんのことを山に登るたびに学びました。
 
それらはとても単純な概念や真理でありながら、今までいかにその本質を知らなかったかということを思い知らされるものばかりです。
 
なんだか今は、旅立ちのような心持ちです。
 
 
以下は、そんな想いを作り出した仙丈ヶ岳山頂での一枚。
眠れぬ山小屋での一夜を過ごして、寝不足のひどい顔なのですが、心は歓喜に満ちあふれています。
 
DSC04819.JPG
 
さて。また次の山登りまで、トレーニングと仕事の日々です。

出費

せっかく自分の中に山を発見して、装備やら旅費やらいろいろつぎ込もうとしているのに、今年の後半は、賃貸契約の更新とか大きな出費だらけで困りもの。
 
と思ってたら、治療しきってたはずの奥歯に問題が発生してしまい、いろいろな紆余曲折を経て、インプラントにする方向で進めることになってしまった。これでまた何十万と飛んでいくことになりトホホ。最新のオールシーズンの装備を高級品で全部揃えても、全然お釣りが来るくらいの金額になる・・。
 
まあ治療の方に関しては、これまでの経緯が経緯なのできちんと納得していて、選択としてもそれが最良だと思っている。また、場所が上顎の奥歯で、しかも歯はこれから抜くので、最終的なインプラントおkかどうかのジャッジは、年末か来年くらいになって、実際の契約はそれからだから、まだ先の話ではある。骨の回復度合いによっては、インプラント不可でブリッジとかになる可能性もあるし。
 
それにしても、学生の頃に引き起こした問題が、今頃になってこんな形で再び現れるのだから、本当にやっかいな話。あの当時に今の歯医者に出会っていればなあ。でもここでケチると、また10年後にどうのこうのということにもなる。
 
ある意味、義体化と思えば面白いのだけど。
 
 
てか、早起きしてランニングするんだからとっとと寝ないと。

空っぽの日に入れるもの

日曜は北高尾山稜~笹尾根の朝から晩までひたすらアップダウンな超ハードコースにチャレンジする気満々だったのに、例によって午前4時に起きてみたものの、ランニングで被ってしまった筋肉痛が回復しておらず、結局中止決定。そんで速攻二度寝。
 
起きたら合計で13時間くらい眠ってて、疲れがたまってたのだなあと窓を開けると、まあホントに素晴らしい秋晴れで、心が傷ついた(笑)。足の状態も悪くはなかったけど、軽く坂道歩いてみると、やっぱり中止にして正解。たぶん、北高尾山稜を切り抜けて、堂所山へ至るのがせいいっぱいだったろう。それならば、たっぷり寝てしまってよかったのだと自分に言い聞かせる(笑)。
 
というわけで、土日は空っぽの日。
 
そこでやることは一つしかない。
山のように積み上がったマンガとアニメの録画の消化三昧。
 
食事制限も解禁して、すっかり片付け切れた。
 
最近のオススメは、やっぱりアニメ「狼と香辛料II」。とにかく話の筋立て、地味ながら奥深いファンタジーな商業世界(ファンタジーアニメで「信用取引」が出てくるとはね(笑))、そして何よりも、台詞が恐ろしいまでにいちいち良くできている。
 
先日唸ったのはこのセリフ。ストーリーを知らないとそのすごさが分からない部分もあるのだが。
 
「一人でうろうろしている間は、誰も相手にしてくれなかったでしょうけど、側に女がいると分かると、女の目には突然気になるものですよ。羊が一匹ぽつんといたら狩るのも面倒だと思うでしょうけど、狼が側にいれば、そんなに美味い獲物なのかと横取りしたくなるでしょう?」
 
むー。こんなのをロングフォームでさらりと言って、成立させられたら、すんごく楽しいだろうなあ(笑)。
 
あとは、やっぱり、バンダイチャンネルで配信が開始されている「続 夏目友人帳」。これもイチオシ。1期からのストーリーテリングの巧さはそのまま引き継がれている。心がぎすぎすしていても、これを見るとそれがやわらかくなるくらい、心優しいストーリー。裏表もなく全部直球なのもとってもいいと思う。30分でのストーリーの筋立てや裏切り方が本当に巧みで、勉強にもなります。
 
マニアックなあたりだと「亡念のザムド」かな。これは大好きなんだけど、でも他人にはあまり勧められない。
 
マンガは今イチオシってあまりない感じ。ちょっと量を読み過ぎているせいもあるけど、少しマニアックなところで、ゲッサンで連載中の「アオイホノオ」と、ヒラマツ・ミノルの新作「アサギロ」かな。アオイホノオはすでに2巻まで単行本が出ている。まあなんだろう。かなり人は選ぶけど、この時代のことを扱ってるものってたぶん初めてだろうから、たとえば庵野さんが好きな人とかは好きだろうと思う。だってさ、作画枚数を計算して、キャプテンハーロックの歩き方をマネるとか(笑)、面白がる人なんて普通はいないだろう(笑)。あと、とにかく超絶熱い作画は好みだったり。アサギロはどうも新撰組モノらしいのだけど、ヒラマツ・ミノルの切り口がとっても面白くて好き。
 
演劇はしばらく見る気が起きない感じ。
唐組は行くけどね。

ランニング

まあ自分にとっては区切りの日だったわけだが、世界にとっては悲劇の日。そして、今年は、日本の宇宙開発にとっては、とてもおめでたい日。
 
とりたてていつもは何も思うところもないのだけど、今年はいろいろと大きな変化があったせいか、何だかやたらと名残惜しくもあり、そしてうれしくもあった。これだけ意識するのはめずらしいくらい。いろいろと前途多難な先行きではあるんだけれども。
 
何となく、ご飯食べたり買い物したりとかいうのがイヤで、ふと走ってみることにした。自宅から多摩川へ出てそこから土手を行ったり来たり。夜の多摩川はいつものようにとっても空間がだだっ広くて、開放的で、そして草のにおいが鼻を通り過ぎていって、気持ちよかった。10日の夜は美しい月が出ていて、それを見ながら黙々とランニングしていると、その時間が不思議にとても特別なもののように感じられた。そして何よりも、楽しかった。
 
よく考えてみたら、1キロ以上キチンと走るのって、実は高校生以来かもしれない。中学くらいまではマラソンが割と得意な方だったっけ。
 
初日は、本当にゆっくりしたペースで、軽く心肺に負担を掛ける程度にしてみた。おおよそ4キロちょい。一度ペースに慣れるとどこまでも走れるような気がした。それは足腰に筋肉がついているせいでもあるし、またそういう風に、自然で拡散した意識で一定のペースを保つのが得意なのかもしれない。走りながら聞いているiPodが絶妙なシャッフルをしてくれて、走る気持ちを盛り上げてくれた。そして今日は、同じ距離でペースを倍ぐらい速くしてみた。気温は低めでも汗がたっぷり。身体は耳まであったかくなる。やたらと気持ちいい。そして楽しい。無理なく続けられそうな気がする。
 
それにしても、運動なんか全く見向きもしなかった頃に、多摩川の近くに部屋を借りたオレに、心底感謝したい。
 
 
この間の日曜は、三頭山にしっかり登ってきた。
忙しくてまとめるのに時間がかかっているけど、もうすぐアップできそう。
 

白昼夢

夏休みの予定が決まらない。
 
当初計画してた縦走登山は、やはり力不足と準備不足のため来年の春まで延期を決定。んじゃあどうするのかと思ってあれこれ考えても、なんだか微妙なネタがぐるぐるぐるぐる。
 
しかも、これから冬山へ行くことまで考えると、必要な装備は、あれとこれと・・・。お金がいくらあっても全然足りない。その上、3000メートル級の山に行くためには、今持っているトウキョウトレイル向けの安いレインウェアではダメで、もっと段違いに高いヤツにしないと、ヘタすると生死に関わる(秋山で3000メートルだと山頂は0℃。雨降って風が吹いたらもっと下がる)。快適な登山には高い装備。なので今からそのための予算を何とかして確保しなければならず、今の時期の遠出は、けっこう大きな負担。
 
カチャカチャといまいちやる気の起きない仕事をしながらぼんやりそんなことを考えてたら、ふと、5月に行った天川村の光景が脳裏に浮かんだ。
 
登山に目覚めるきっかけとなった、初めて一人で登った観音峰展望台。標高1285メートル。ガイドマップでは登り1時間30分。下り1時間。それをそれぞれ30分以上超過して、しかも膝がガクガク、汗はダラダラになりながら、スニーカーとショルダーバック、ペットボトル1本で行ってきたっけ。でも、あの時の山の光景は本当に忘れられない。荒涼としていてそれでいて神秘的で、まるで吸い込まれるように異様に山深くて、そして展望台に登ると、大峰奥駈道を擁する、大峰山脈の山々が果てしなく広がっていて、そのどうしようもない広大さに圧倒されて・・。
 
北アルプスとか南アルプスとか、富士山とか、あこがれる山はいっぱいある。そして、これからの人生で、それらの山々を一つずつ、ゆっくり登っていける立ち位置にいることを、本当に幸せに思う。
 
でも、この目で見て、わずかに触れた大峰山脈は、それらをぶっちぎって自分の中に輝いている。アルプスに比べたら大した高さの山はない。そして、楽しみよりも苦労の方がきっと多い。また最大の問題として「女人禁制」という決まりがあり、女子と楽しくきゃっきゃと登ることがあらかじめ禁止されているという恐ろしい山である。大峰山脈は修験道の山。通り過ぎる修験者には「こんにちはー」なんて言ってはならないのだ。何かの楽しみを求めて行くような所では決してない。
 
でも、それでも、どうしてもあこがれてやまない。
どんなに手が届かない存在でも、それを欲せずにはいられない。
 
「大峰奥駈道単独大縦走」
 
夢を持たなかった自分がようやく内なる己に発見した、死ぬまでにやってみたいことの一つ。
 
そのきっかけを作ってくださった「あおば」のご夫婦には感謝の気持ちでいっぱい。本当は早くそのお礼を言いに、天川村まで行きたいのだけれども、たぶん次に行くのは、また来年になるだろう。
 
・・・さてさて、ホントに休みはどうしようか。

登山教室

何だかすっかり山登り日記と化してますが、今日は、待ちに待った登山教室の開講日でした。
 
東京都山岳連盟のトレッキングスクール「秋山編」に参加申し込みをしました。本当は、全部一人で登って自力で身につけるのが最も苦労して(笑)楽しいのですけど、さすがに高山に単独で行けるようになるには、いろいろと時間もかかるし、そろそろ知り合いとか、あとできれば近い世代の友達とかも欲しいところなので、参加することにしました。11月までの間に3回登りに行くのですが、1700メートル級から3000メートル級の山まで様々予定されていて、今からかなりワクワクしています。
 
まず今月は、南アルプス・仙丈ヶ岳へ行ってきます。高さは自分にとって未知の領域である3033m。そして、日本百名山の一つです。小屋泊まりの一泊二日。
 
本当はその前に、奥多摩の最深部に位置する雲取山(2017m/百名山)を目指す計画だったのですが、それに絡んでいろいろやりたいことがあって、それでちょっと条件が難しそうなので、たぶん、来年まで持ち越しにする見込みです。
 
で、今日は、その秋山登山のための装備講習があったのですが、講師の方のいろいろ脱線する話が本当に面白くて勉強になりました。
 
一番笑ったのはヘッドランプとローソクの話。
 
冬山で悪天候で緊急ビバークする時は、もちろん雪洞を掘って天候の回復を待ちます。外がマイナス何十℃でも、(目測で)だいたい80センチも掘れば、その雪の中は0℃になるのだそうです。でも中は暗いので、当然ヘッドランプなどの明かりをつけます。昔のランプは電球でしたが最近はLEDランプです。それは、光が真っ白で、中はとても明るくなります。
 
ところが、どういうわけかその白い明かりを見ながらビバークしていると、そのうち気が滅入ってしまって、暗く落ち込んで、「明日は助からないかも・・でも仕方ないかも」とか必ず思い始めるのだそうです。LED以前の電球の場合は、黄色っぽい色であるため、それを雪洞の中でつけていた時は、気持ちにも暖かみがさして、落ち込まずにがんばろうという気持ちになっていたのだそうです。
 
なので、それがヘッドランプでなくてローソクを使う場合は、かならず、白いローソクではなくて、赤とか色のついたものを使わなければならないという話でした。
 
ところがある日、冬山に持って行くローソクが、どうしても仏壇の白くて細いローソクしかなくて(笑)、仕方なしにそれを持って行ったのだそうです。で、使ってみたら、本当に白くて細くて、案の定気が滅入るような明かりになってしまい、しかもその上、だんだん線香臭いにおいが漂ってきて(笑)、こんなのをビバークで使ったら、間違いなく死んでしまうと思ったのだそうです(笑)。それ以後は、仏壇のローソクは使用禁止にしたという話でした。
 
それ以外にも、着るものの話や、雨具の洗い方、行動食、スパッツ、傘とか、数多くの脱線を含みながらたくさん勉強になる話が聞けました。そこにある基本精神は、何事も日々是研究・実験です。うん。本当に大事ですね。そしてそれは楽しいのです。
 
 
というわけで、参加を決めて申し込んだら、また急に気持ちが盛り上がってやる気になってきました。今週末は土日両方使えますし、今度こそ三頭山を目指します!